解説
クリントンはアイルランド出身のロンドンで活躍したフルーティスト、作曲家です。彼はベーム式フルートのための室内楽作品を残しました。フルート三重奏曲 (3Fl.) は作品7と作品9、作品30の3曲が残されました。この作品9はソナタ形式で書かれ、第1楽章は序奏つきで、3本の半音階的旋律が主題を導きます。Allegro brillante [G] から主要主題となり、第1主題では先に1番フルートが意気揚々と華麗に舞い上がり、優美に滑空し、2番フルートにリレーされます。第2主題 [D] は爽やかな旋律を1番フルートが静かに奏で、続いて3番フルートがオクターヴ下の音域で受け継ぎます。展開部は経過楽句的な3本の流れを形成して下行旋律がニ長調の和音に集結し、再現部となります。第2楽章は半音階的旋律が終始一貫して流れて舞います。トリオでは持続低音上に緩やかな牧歌が流れて和ませてくれます。第3楽章は三部形式で書かれ、バルカローレ風の爽やかな旋律で心が癒され、中間部は美しい牧歌旋律で2番フルートと3番フルートが対話します。第4楽章はソナタ形式 (ロンド風) で書かれ、第1主題は軽快に飛び回り、第2主題[D]も快速な下行音階動機です。ちなみに、彼は楽器の改良をし、製作会社も立ち上げています。(解説/佐野悦郎)スタッフより
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