解説
フリードリヒ大王のフルートの師として名高いクヴァンツのフルート協奏曲は、数多く残されているそうですが、その中で一番有名な曲といえば、この作品でしょう。1877年ドレスデンで、フュルステナウの独奏によって、長い間忘れられていたこの曲の再演が行なわれた時は、彼の輝かしい演奏によって大変な成功を収めました。このおかげで引き続きBREITKOPF社から楽譜が出版されましたが、1991年に、新たに同社より写譜の段階にさかのぼって校訂を施した版が出ました。以前の版は何度かの写譜を経た譜面を基にしていたのですが、新しい版は、失われてしまった原譜に一番近い写譜によるものです。フルートのパート譜には、何も注意書きのない原典版と、実用版の2種類が付けられています。協奏曲の定型に従って、急−緩−急の3楽章から成り、格調の高い作品に仕上がっています。この時代の作曲スタイルの額縁にきっちりとはまり込んだ作品ですが、それぞれの楽章の性格付けが見事です。(解説/三上明子)ニュース
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