解説
「マスク」は邦人のフルート現代二重奏曲を代表する傑作です。マスクは「能の女面」に由来し、日本の伝統的な内面的な美、また東洋的な音色、響きの空間を表現する繊細な作品です。曲はまず“Continu / Incidental I”が1959年に作曲され、林りり子と小出信也の両氏により初演されました。翌年に“Incidental II”が加えられ、峰岸壮一と小出信也の両氏により初演されました。演奏上で役立つ作曲家の言葉を幾つか引用すれば、「『マスク』は、いわゆる西欧的な拍の概念では捉えられない時間の内部にある。この作品では奏者の呼吸と脈拍に基となるテンポがおかれ、One by Oneリズムで全く自由に奏される」「2本のフルートは互いに見はからい呼吸をはかりながら流動的な模様を編んでいく」「Incidental IIは私がもっとも関心を持っている旋法についての試論のようなものです。完全5度の素晴らしい響きを私の視点から見直したかった。」等とされています。(解説/佐野悦郎)ニュース
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