収録内容
モーツァルト、W.A. | フルート協奏曲 第2番 ト長調 KV314 (DVD) | 岩間丈正 |
解説
レッスンを始めるにあたって、「モーツァルトは何故こんなに難しいのでしょう?」 という疑問が、マイゼン先生から投げかけられています。 後で、第1楽章をまとめる言葉の中に、「今回のテーマは、“スコアの中の協奏曲” です。」という言葉が出てきますが、これは、スコアをよく研究して、オーケストラに何が起こっているのかということをはっきりと認識していれば、多くのことが易しくなり、練習の段階で間違いを犯してしまう可能性もなくなるだろうという提案なのです。 マイゼン先生は、それがどうもアゴーギクの領域にあるようだと前置きをされて、いよいよレッスンに入っていきます。 レッスンの中では、常にオーケストラのスコアが持ち出されますが、この曲の原曲である、オーボエのハ長調の協奏曲のスコアと、二長調のフルート協奏曲のスコアとを見較べながら話が進んでいきます。 そして、モーツァルトが、シンフォニーとオペラの作曲家であることから、ト長調の協奏曲はシンフォニックで、この二長調の協奏曲はオペラ的だという考え方を示しています。 また、レッスンの中では、カンティレーナ (Cantilena) という言葉が何度も出てきますが、これは、19世紀以降に生まれたイタリー語の、叙情的な性格の旋律を示す言葉だろうと思います。 特に、第2楽章を、オペラの中の悲しげなアリアに例えて、「ドイツでは “モーツァルトの音楽からは、たくさんの悲しみのテーマを探らなければならない” と言われています。 彼には全ての要素があり、エキセントリックな人でしたが、本当の意味でメランコリックな人で、おそらく私達には理解出来ないような悲しみを内に秘めていたのでしょう。」 と説明し、 最後に、「 “道” はいつもスコアにあります。曲想、姿勢、落ち着き、歓ぴ、悲しみを捉えていく道程なのです。それだけに、この “道” は明確でなければなりません。」 と、結んでいます。解説●斉藤賀雄 東京音楽大学教授 元・読売日本交響楽団フルート奏者ニュース
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