スタッフのおすすめ

30000点以上もある中から、ムラマツのスタッフが「これは!」と思う楽譜をご紹介します。

ヴァイオリンの曲をフルートで演奏してみませんか?(Fl.Pf)

グリーグは1843年ノルウェーに生まれ、国民学派の代表的な作曲家の一人で、ライプツィヒ音楽院を卒業後デンマークのコペンハーゲンに渡りました。 「抒情小曲集」などのピアノ曲をはじめ「ペール・ギュント」など数多くの曲を作曲し、ピアニストとしても優秀だったことから『北欧のショパン』として評されています。
この曲は、1865年にヴァイオリン・ソナタとして作曲されました。3楽章構成で、第1楽章Allegro con brioは特徴のあるメロディーとリズムで始まり、第2楽章Allegretto quasi andantinoはノルウェーの民族音楽的要素が印象的で、第3楽章 Allegro molto vivaceは技巧的でフィナーレにぴったりな華やかな楽章になっております。
このソナタを是非1度演奏してみてはいかがでしょうか。

【中・上級者向け】演奏時間=約21分 (S.H)

フルートだけではないフレンチ・スクール7(Method)

ベートーヴェンの《ヴァイオリン・ソナタ 第9番 イ長調 作品47》、通称「クロイツェル・ソナタ」で知られる、ルドルフ・クロイツェル(フランス語読みでロドルフ・クレゼール、1766-1831)は、当時を代表するヴァイオリニストの一人でした。 彼はドイツ人の父親から音楽の手ほどきを受け、その中でヴァイオリンも習いました。1778年からはアントン・シュターミッツにヴァイオリンと作曲を師事します。1780年、13歳の時にコンセール・スピリチュエルの演奏会で師の《ヴァイオリン協奏曲》を演奏し、神童として楽壇に受け入れられ、以後着実にヴァイオリニストとしてのキャリアを積み、マリー・アントワネットの庇護も受けるまでになりました。フランス革命が起こった1789年、拠点をヴェルサイユからパリに移し、1795年にパリ音楽院(コンセルヴァトワール)が設立されると、その初代ヴァイオリン教授の一人となりました。そして、開校間もない音楽学校ですので、指導用の教本として編まれたのが当時のヴァイオリン教授3人(クロイツェル、ピエール・バイヨ、ピエール・ロード(ローデ))による『ヴァイオリン教則本』でした。この教本は後世に大きな影響を与えることとなり、3人は「三位一体」となってヴァイオリンにおけるフレンチ・スクールの基礎を作り上げました。クロイツェルはベートーヴェンから1803年に《クロイツェル・ソナタ》を献呈され、名声は高まる一方でしたが、1810年に交通事故に遭って腕を負傷したため、ソリストとしてのキャリアはそこで終わりました。とはいえ、アンサンブル奏者としては演奏を続け、指揮者としても活動を広げました。パリ音楽院の教授は1826年まで務めますが、弟のオーギュスト・クロイツェル、シャルル・ラフォン、後にバイヨのクラスを引き継ぐことになるランベール・マサールといった弟子を育てました。
 クロイツェルの「エチュード」、元は《ヴァイオリンのための40のエチュード、またはカプリス》(後に42曲に増補改訂)は1805年に出版され、パリ音楽院の『ヴァイオリン教則本』とほぼ同時期ですので、草創期の音楽院の生徒向け副教材として書かれたと想像されます。そのため、『教則本』と並んで一種のバイブルとして教師から生徒へ脈々と引き継がれ、フルートにおける《アルテ》のように現在でも使われています。なぜ、これほどまでロングセラーになっているかと言えば、現代にも通用するテクニックが過不足なく網羅されており、「完成された」教本だからでしょう。よって、このエチュードを移調などしてフルート用に編集すれば、フルートにとっても良い練習になるのでは、と考えるのは自然なことで、マルセル・モイーズがすでに《クロイツァーによる20の練習曲》として出版していますが、全音版の《クロイツェル・フルート・エチュード》においてはパウル・マイゼンが35曲を取り上げ、中でも「クロイツェルの2番」と「クロイツェルの5番」をそれぞれエチュードA、Bとして冒頭に掲げ、日々のウォーミングアップ用としています。200年以上も受け継がれている、ヴァイオリンのフレンチ・スクールの伝統をフルートの練習に取り入れてみてはいかがでしょうか。
(2025年4月記) (M.N.)

フルートだけではないフレンチ・スクール1→楽譜ID:34035(デュヴェルノワ/三重奏曲 第1番)
フルートだけではないフレンチ・スクール2→楽譜ID:4843(バルボトゥー/スケッチ)
フルートだけではないフレンチ・スクール3→楽譜ID:1877(ナーデルマン/ノクチュルヌ)
フルートだけではないフレンチ・スクール4→楽譜ID:7931(トゥルニエ/組曲 作品34)
フルートだけではないフレンチ・スクール5→楽譜ID:7258(ジュボエ/3つの三重奏曲 作品42)
フルートだけではないフレンチ・スクール6→楽譜ID:34752(ジャンクール/ベッリーニの「ノルマ」によるファンタジー・コンチェルタンテ)

美しいアレンジの「日本のうた」をお探しではありませんか?(Fl.Pf)

林光(1931-2012)によって作曲されたフルートとピアノのための変奏曲集で、日本の有名な歌謡を主題にした4つの変奏曲で構成されています。収録されている曲は以下の通りです。

・「赤とんぼ」変奏曲 山田耕筰の主題による(1966)
・「宵待草」変奏曲 多忠亮の主題による(1961)
・「花」変奏曲 滝廉太郎の主題による(1967)
・「七つの子」変奏曲 本居長世の主題による(1967)

それぞれの変奏曲はオリジナルの旋律をもとに情感豊かな美しいアレンジで展開されており、バリエーション毎の拍子の変化、装飾音やダイナミクス、同主調への転調など、1曲を通して移ろう様々な音の色彩をピアノ伴奏とともに楽しみながら演奏いただけます。
演奏会や発表会などで披露する際のご自身のレパートリーとして、シニア向けのコンサート等での季節に合わせた選曲としても、本作品を取り入れてみてはいかがでしょうか。耳馴染みのあるメロディーによる変奏曲としての新たな響きを含んだ本作品はきっと、注目いただけることでしょう。

(HK)

新刊紹介(Fl.Pf)

作曲家のセンチャックは1974年生まれ、カナダ出身で現在はアメリカ合衆国を拠点に活動しています。フルート作品も数多く、ソロからフルート・オーケストラまで多彩な作品を生み出しています。
『リチカのポートレート』は、ウクライナ西部のカルパチア山脈に位置するリチカ村へのオマージュとして作曲されました。4楽章からなり、各楽章ごとに村や地域のさまざまな場所、行事、音楽の伝統を取り入れた組曲です。ウクライナの伝統的なフルートであるソピルカの特徴的な装飾とともに、伝統的な民謡のメロディーがいくつか使われています。

各楽章は以下の通り
・Sopilka's Song - Between Two Mountains ウクライナの民族楽器ソピルカの装飾的なイメージを使ったカデンツァ風のソロから始まり、民謡を使った曲
・Vesillya (Wedding Celebration) 結婚式の踊りと祝賀会の様子を表現した曲
・ Litya (Memorial) 賛美歌を取り入れた美しいメロディの曲
・Arkan (Hutsul Dance) 速いテンポの民族舞踊を模したいきいきとした曲

ウクライナの音楽と言ってもあまり馴染みがありませんが、このように変化に富んだ、快活で楽しい組曲となっています。
作曲されたのはロシアとウクライナの戦争が始まる前ですが、穏やかだったウクライナの山村の暮らしに思いをはせて演奏してみてください。
【上級向け】演奏時間:約15分 (T)


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