スタッフのおすすめ

30000点以上もある中から、ムラマツのスタッフが「これは!」と思う楽譜をご紹介します。

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■フルート・ピアノ
作曲家A-G
作曲家H-N
作曲家O-Z
その他(曲集・特殊管)

■Fl アンサンブル
2本フルート
2本フルートとピアノ
3本フルート
3本フルートとピアノ
4本フルート
5本フルート以上

■フルートと他楽器
ギターを含む
ハープを含む
管楽器とのアンサンブル
弦楽器とのアンサンブル
その他

■Flソロ、エチュード
Flソロ
エチュード

■書籍、その他

■シリーズ
忘れられたコンクール用小品
忘れられた19世紀フランス・オペラ
フルートだけではないフレンチ・スクール

フルートだけではないフレンチ・スクール10(Fl.Org)

 前回は、フランスにおけるオルガンという楽器の位置と19世紀の名オルガン製作家、アリスティド・カヴァイエ゠コルのご紹介をしましたが、カヴァイエ゠コルのオルガンのシンフォニックな響きは作曲家の創作意欲を掻き立て、やがて「オルガン交響曲」というジャンルへと結実し、シャルル゠マリー・ヴィドールに始まり、ルイ・ヴィエルヌ、シャルル・トゥルヌミールとオルガン交響曲の作曲の系譜ができました。
 カヴァイエ゠コルのオルガンの特徴は、ストリング系のストップを多く取り入れたことによる繊細な音色の増加、スウェル機構による滑らかなデュナーミクの変化、風箱の分割による音色や音量のコンビネーションの幅の拡大、そしてバーカー・レバー機構により風圧を上げても鍵盤のタッチが重くならないようにして豊かな音と技巧的な演奏の両立を可能にしたことが挙げられます。これらのおかげで、繊細かつダイナミックな演奏を変幻自在に繰り広げられるようになり、オーケストラの表現力と肩を並べるようになったことから、「オルガン交響曲」と呼んでも遜色ない音楽を奏でられるようになったのです。
 リヨン出身のヴィドールのオルガニスト人生において、カヴァイエ゠コルは大きな後ろ盾となりました。ヴィドールが19歳の時にベルギーのブリュッセル音楽院に留学するよう助言し、帰国後、パリへ活動の拠点を移すよう促し、1870年にサン゠シュルピス教会のオルガニスト就任にあたって推薦したのは、いずれもカヴァイエ゠コルでした。そして1890年にセザール・フランクが亡くなると、その後任としてパリ音楽院(コンセルヴァトワール)のオルガン科教授となり、1896年には作曲科の教授へと転任しました。このキャリアの中で、1872年に《オルガン交響曲 作品13》(1番から4番)、1887年に《同 作品42》(5番から8番)、1895年に第9番、1900年に第10番とコンスタントに作曲し、ヴィドールにとってのライフワークとなり、質、量ともにオルガン交響曲というジャンルを確立させるのに貢献しました。この中でもヴィドールの代表曲とみなされているのが、《オルガン交響曲 第5番》です。第5楽章の〈トッカータ〉が各国王室の結婚式で演奏されたことから特に有名ですが、この楽譜では瞑想的で甘美な第2楽章がフルートとオルガンのために編曲されています。中間部以降はフルートが旋律を担当しますが、前半ではオルガンの旋律とポリフォニックな掛け合いを行うため、フルート奏者が演奏しながら自分もオルガンの一部となるような感覚が楽しめます。(2026年10月記)(M.N.)

新刊紹介(4Fl/3Fl.A-fl)

ジョゼフ・ジョンゲン(1873〜1953)はベルギー生まれの作曲家。
幼少期から神童と呼ばれ、7歳で王立音楽院に入学を許され、ピアノ、オルガン、指揮、作曲などを学び、20世紀ベルギーを代表する作曲家の一人です。現在では残念ながらそれほど取り上げられる機会はないのですが、代表作の一つ《オルガンと管弦楽のための協奏交響曲》は、オルガンの名曲として知られています。今回ご紹介する1942年に作曲された《エレジー作品114》は、ジョンゲンの晩年の作品で、ドビュッシーやラヴェルに通じるフランス印象主義的な和声が取り入れられています。

抒情的で息の長い旋律線、美しく繊細な和声のニュアンス、そして各声部の間で慎重にバランスが取られた相互作用が特徴で、透明感のある、とてもひそやかな美しい曲です。本来この曲はもう一つの四重奏曲《ワロン地方のクリスマス歌に基づく2つのパラフレーズ》(商品ID:176)とセットで作曲されました。タイトルが示唆する哀歌的な性格は、作曲された当時の第2次世界大戦の不穏な空気の中で、静謐な平和への祈りとクリスマスを祝う心と一緒に心洗われるような旋律に込められていると思われます。

この新版では従来の版のミスプリなどが修正されたうえ、第4パートをアルトでも吹けるように編曲されています。これにより音域が広がり、より深い情感が表現できるようになりました。技術的に難しい曲ではありませんが、長い旋律を音程を合わせて演奏する技術は要求されます。ぜひ美しい音色で響かせてください。
【中級者向け】 演奏時間:約5分 (T)

小鳥たちのサウンドスケープ(3Fl.Pf//Pic.2Fl.Pf)

ベラルーシ出身でアメリカを拠点に活動する作曲家ユージン・マガリフ(1957-)の《フィンチ》は、「小鳥(フィンチ)」を題材にした現代作品です。フィンチとはスズメ目に属する小鳥の総称で、ブンチョウやカナリアなどを指します。
ピッコロと2本のフルートによって、小鳥たちの軽やかなさえずりや空を飛び交う様子がいきいきと表現されています。現代的な響きを持ちながらも親しみやすく、フルートとピッコロがもつ明るく透明感のある音色が光る一曲です。

譜面上はフラッタータンギングや装飾音、スタッカートの指示が目立ち、演奏時間が短いながらもテクニックと豊かな表現力が求められます。お仲間と一緒にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
【中・上級者向け】 演奏時間:約4分 (HK)



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