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フルートだけではないフレンチ・スクール 4(Fl.Vn.Va.Vc.Hp)
商品ID:7931
トゥルニエ/Tournier
SUITE OP.34
組曲
Fl.Vn.Va.Vc.Hp
19世紀後半のフランス・ハープ界にはアルフォンス・アッセルマン(1845-1912)が登場し、名手としてフォーレと親交を持ち作品を献呈されるなど活躍します。彼はパリ音楽院(コンセルヴァトワール)のハープ科の教授となり、アンリエット・ルニエ、カルロス・サルセード、マルセル・グランジャニー、リリー・ラスキーヌ、ピエール・ジャメなど著名な奏者を育てました。そして、その後任としてさらに近代フランスのハープ楽派を盛り立てたのがマルセル・トゥルニエ(1879-1951)でした。彼はパリに生まれ、弦楽器製作家の父を持つなど音楽的環境に恵まれ、パリ音楽院に入学します。16歳からハープをアッセルマンに師事し、1899年に一等賞を受賞して卒業。パリ・オペラ座管弦楽団のハープ奏者などを務め、1912には母校の教授に就任しました。 トゥルニエの《組曲 作品34》は1928年に作曲されましたが、このフルート、ハープに弦楽三重奏という独特な編成の作品は、1924年にピエール・ジャメが結成したパリ器楽五重奏団(1945年からはピエール・ジャメ五重奏団に改名)のために作曲されました。この五重奏団は娘のマリー=クレール・ジャメとその夫のクリスチャン・ラルデに引き継がれたことから、フルート愛好家の中にも馴染みのある方が多いことでしょう。この組曲は瞑想的な〈夕べ〉、軽快な〈ダンス〉、抒情的な〈リート〉、華やかな〈祭り〉の4曲からなります。トゥルニエは作曲をヴィドールに師事し、1909年にはフランスの作曲の登竜門であるローマ大賞コンクールの2等賞次席を受賞しており、しっかりした構成で充実した響きの作品です。
このシリーズでは楽器の新旧のシステムの対立、変遷に注目していますが、トゥルニエの妻はパリ音楽院でクロマチック・ハープの教授を務めたルネ・レナールでした。ハープは一つの音に対し一つの弦を張りますが、半音階全ての弦を一直線に張ると弦の数が多くなり、遠くの弦に腕が届かず演奏が難しくなります。そのため全音階に弦を張り、ペダル操作で半音の音程を変化させるのがペダル・ハープでした。もちろんこの機構では1オクターブ中に7つの音(弦)しかないため、12の音(弦)を揃えようと試行錯誤の結果生み出されたのが、ピアノで有名なプレイエル社が開発したクロマチック・ハープで、弦をXの字に2コース張り、ピアノの黒鍵と白鍵のように分けた楽器でした。この楽器のためにドビュッシーは1904年に《神聖な舞曲と世俗的な舞曲》を作曲しました。ペダル・ハープを生産していたエラール社はそれに対抗してラヴェルに《序奏とアレグロ》(1905)の作曲を委嘱します。このように、新旧システムがしのぎを削ったのですが、クロマチック・ハープは弦の数が多くなることによる演奏の難しさ、調弦の面倒さなどにより、結局普及することはありませんでした。
(2024年4月記)(M.N.)
フルートだけではないフレンチ・スクール1→楽譜ID:
34035
(デュヴェルノワ/三重奏曲 第1番)
フルートだけではないフレンチ・スクール2→楽譜ID:
4843
(バルボトゥー/スケッチ)
フルートだけではないフレンチ・スクール3→楽譜ID:
1877
(ナーデルマン/ノクチュルヌ)
新刊案内(Pic.Pf)
商品ID:37600
ヴァン・デル・ロースト/Van der Roost
SONATINA PICCOLA
ピッコロ・ソナチネ
Pic.Pf
作曲者のヴァン・デル・ローストは1956年生まれのベルギーの作曲家で、日本では吹奏楽作品が主に知られているようですが、声楽や室内楽などの作品も作曲しています。 ピッコロ奏者ペーター・フェルホイエンのために書かれたこの3つの楽章からなる「ソナチネ・ピッコラ」では、ピッコロの魅力が十二分に発揮されています。 第1楽章バラータ・マリンコリカでは、美しいメロディの中に不穏な響きが混じり、第2楽章パゴダ・ペンタトニカでは、東洋的な響きが導入されています。この楽章では、特に特殊な奏法を用いて、ピッコロのエキゾチックな響きを探求しています。きらびやかな第3楽章のフリッツァンテは、華やかで技巧的なパッセージが続き、華々しく終結します。 ピッコロ、ピアノともにヴィルトゥオーゾ的な技量を要求されますが、起伏に富んだ面白い曲です。ピッコロのための新しいリサイタル・ピースの一つに加えられるでしょう。 なお、フェルホイエンによるCDが出ています。
収録CDはこちら→
商品ID:8716
[フェルホイエン/パッチワーク]
(T)
気軽にデュエット♪(2Fl)
商品ID:37643
カイザー、U./Kaiser, U.
12 VARIATIONEN UBER ”HAPPY BIRTHDAY TO YOU” (SCORE ONLY)
「ハッピー・バースデー・トゥ・ユー」による12の変奏曲 スコアのみ (Va用、in B、ヘ音記号のバスの2ndパート譜付き)
2Fl/Fl.Ob/Fl.Vn. etc
あの「ハッピー・バースデー」のメロディーを2つの楽器による12のヴァリエーションでお楽しみいただけます。デュエットの組み合わせはフルート2本だけではなく、オーボエ、クラリネット、ファゴット、ソプラノサックス、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロなど様々な楽器との共演が可能です。続けて演奏することはもちろん、お気に入りのヴァリエーションを選んで演奏してもOKです。大切な人の誕生日をひと味違ったメロディーでお祝いしましょう!
1. Thema
2. Variation 1 (Hoquetus)
3. Variation 2 (Aria)
4. Variation 3 (Grazioso)
5. Variation 4(FinaleT
6. Variation 5 (Sarabande)
7. Variation 6 (Fuga)
8. Variation 7 (Umkehrung)
9. Variation 8 (Quartissimo)
10. Variation 9 (Kanon und krebs)
11. Variation 10 (Humoreske)
12. Variation 11 (Virtuoso)
13. Variation 12 (Finale U)
商品ID:37420
久石譲、曲集/Hisaishi、Album
フルート二重奏 千と千尋の神隠し (編曲:齋藤寛)
2Fl
2001年に公開された宮崎駿監督の「千と千尋の神隠し」は、美しい映像や物語の世界観、そしてどこか懐かしく切ない音楽が世界からも高い評価を受け、現在でも舞台化されるなど人気の高い作品です。そんな日本が誇る名作映画の音楽をデュエットで演奏してみましょう!それぞれ1stパート、2ndパート譜とスコア、参考演奏のQRコードがついているとても親切で使いやすい楽譜です。フルートの音色は「千と千尋」の雰囲気にピッタリだと思います。子どもから大人まで幅広い世代でお使いいただけるおすすめの曲集です。
1, あの夏へ
2, 不思議の国の住人
3, 竜の少年
4, 湯婆婆
5, 6番目の駅
6, 千尋のワルツ
7, 帰る日
8, いつも何度でも
9, いのちの名前
【初級・中級者向け】(U)
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このシリーズでは楽器の新旧のシステムの対立、変遷に注目していますが、トゥルニエの妻はパリ音楽院でクロマチック・ハープの教授を務めたルネ・レナールでした。ハープは一つの音に対し一つの弦を張りますが、半音階全ての弦を一直線に張ると弦の数が多くなり、遠くの弦に腕が届かず演奏が難しくなります。そのため全音階に弦を張り、ペダル操作で半音の音程を変化させるのがペダル・ハープでした。もちろんこの機構では1オクターブ中に7つの音(弦)しかないため、12の音(弦)を揃えようと試行錯誤の結果生み出されたのが、ピアノで有名なプレイエル社が開発したクロマチック・ハープで、弦をXの字に2コース張り、ピアノの黒鍵と白鍵のように分けた楽器でした。この楽器のためにドビュッシーは1904年に《神聖な舞曲と世俗的な舞曲》を作曲しました。ペダル・ハープを生産していたエラール社はそれに対抗してラヴェルに《序奏とアレグロ》(1905)の作曲を委嘱します。このように、新旧システムがしのぎを削ったのですが、クロマチック・ハープは弦の数が多くなることによる演奏の難しさ、調弦の面倒さなどにより、結局普及することはありませんでした。
(2024年4月記)(M.N.)
フルートだけではないフレンチ・スクール1→楽譜ID:34035(デュヴェルノワ/三重奏曲 第1番)
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フルートだけではないフレンチ・スクール3→楽譜ID:1877(ナーデルマン/ノクチュルヌ)