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フルート4重奏のために作曲されたこの《コルシカ島の幻影》は、地中海にあるナポレオン・ボナパルトの出身地としても知られる「コルシカ島(コルス島)」を描写した作品で、フルート4重奏の作品の中でも名曲と言える作品ではないでしょうか。
第1曲目の「マキ」とは灌木地帯のことを指しており、副題は「孤独」となっています。ゆったりと静かに始まるこの楽章はまさに灌木地帯の中に、一人で佇んでいるような情景を感じることが出来ます。続く第2曲目の「エヴィザ」とは山間にある町の名前で、「春の装いで」の副題通りに町の中を吹き抜ける春の爽やかな風をイメージすることが出来るでしょう。第3曲目の「セレナーデ」は「ボナパルト家」と副題が付いており、コルシカ島出身のナポレオン・ボナパルトの一族を偲ぶ楽章です。第4曲目の「メディテーション(瞑想)」は「ピアナの入り江(カランケ)」という副題が付いており、このピアナの入り江はポルト湾に面した切り立った岸壁で、現在は世界自然遺産に登録されており、そんな入り江の美しく雄大な風景をゆったりとしたテンポで朗々と歌い上げる楽章です。第5曲目の「コルテの城塞」は、コルシカ島の中心にあるコルテという町のシンボルになっている崖の上の城塞(シタデル)を軽快なテンポでピッコロが縦横無尽に駆け抜けるように書かれています。
技巧的な難易度も少し高く、また第5曲目では1番フルートがピッコロに持ち替えなければなりませんが、それぞれの楽章をラウバーが細部に渡ってしっかりと作り上げているため、非常に完成度の高い作品となっているのではないでしょうか。クーラウやライヒャといったフルート4重奏の定番ともいえる作品もありますが、ぜひこの作品も演奏会で数多く取り入れていただきたいイチオシの作品です!
【上級者向け】 演奏時間:約16分 (You.To.)