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1885年に作曲された《ロマンス Op.33》は、フルートの柔らかい音色がとてもよく映える人気の小品です。
本作は、ポール・タファネルに献呈され、ベルナール自身の指揮とタファネルの独奏によって国民音楽協会の演奏会で初演されました。曲全体に漂う繊細なフレーズと、息の流れの自然な美しさから、当時のフランス・フルート界を牽引していたタファネルの高度な音楽性を念頭に置いて作曲されたことが伺えます。
曲は変ロ長調を基調としながら、ロマン派特有の柔らかな転調が随所に織り込まれています。特に中間部に見られる短調への移行は静かで深みがあり、所々でブラームスの音楽を感じさせます。
形式は単一楽章ながら、序奏的な静けさ、歌い上げる主題、落ち着いた雰囲気の中間部、そして再現へと向かう自然な流れが巧みに構成され、約7分30秒という長さの中に豊かな物語性が凝縮されています。
技術的にはそれほど難しくありませんが、音色やレガートの滑らかさ、フレーズの流れなど、演奏者の音楽性が試される作品です。コンサートや発表会等のプログラムにおいて、技巧を誇示する作品とは異なる“味わい深い歌の表情”を聴かせたい場面に最適です。
ロマン派の情緒とフランス音楽の透明感が見事に融合した《ロマンス Op.33》。
歌うようなフレーズが好きな方、ロマン派の雰囲気をじっくり味わいたい方に、ぜひ演奏してほしい一曲です。
【初・中級者向け】 演奏時間:約7分30秒 (BF)