解説
この曲はブラジル現代音楽の理論家であるM.de Andrade氏に捧げられ、1924年2月18日にサンパウロで初演されました。演奏時間が3分に満たない程の単一楽章の現代的小品ですが、その音楽の密度は高く、4度(5度)累積とその連続動機と半音階的旋律が応答し、噛み合います。また、大跳躍楽句と即興的リズムとが対話し、フルートとクラリネットの技巧的アンサンブルが見事に書かれており、その中に立体的に民族風旋律線が浮かび上がって、各楽器で旋律を歌い合います。 ショーロ(chôro)とは19世紀末にリオのストリート・ミュージシャンから生まれたブラジル民族舞曲の一種です。その語源はポルトガル語の【泣く=chorar】で、感傷的な歌、踊りに民族的な管弦打楽器が加わり、形作られた即興的な音楽様式です。これをヴィラ=ロボスは独自に芸術的な領域の新しい《ショーロ》様式として確立し、1920年から1929年の間に全14曲(No.13 & 14は紛失)と補遺2曲の「ショーロス」を作曲しました。楽器編成は初期の独奏曲、室内楽曲から、後期の管弦楽、更に独奏楽器や合唱まで加わるものも書かれ、3分程度の小品から1時間を超える大曲もあり、楽章構成も様々です。ニュース
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