解説
ヨーゼフ・フランツ・クサーヴァー・ドミニク・シュタルダー(1725-1765)はスイスの作曲家です。ルツェルンのイエズス会学校で学んだ後、イタリアのミラノで神学を学びつつ作曲を始め、1750年からはG.B.サンマルティーニに師事しました。53年にロンドン、54年からはパリにて作曲家及び指揮者として活動し、62年にオルガニストとしてルツェルンの聖レオデガル修道院に戻っています。このフルート協奏曲はエンゲルベルクに手稿譜が保存されていましたが失われたようです。現存しているパート譜面は、フルート・ソロ楽譜の第1楽章の117小節から終わりまで、第2楽章全体、フィナーレの156小節までが欠損していたため、ルツェルン出身の作曲家C.ディートヘルム(1926-1997)によって復元が行われました。1979年にペーター=ルーカス・グラーフの独奏により初演されています。ディートヘルムは作曲年代を1760年頃としています。変ロ長調と第2楽章の変ホ長調の響きは、朗らかな初期古典派の雰囲気ですが、復元箇所には広く音域を使った華やかなパッセージも加えられているため、洗練されたヴィルトゥオーソ・コンチェルトの様形となっています。リノベーションされた本協奏曲はアルト・リコーダー独奏としても整えられています。(解説/諸田大輔)ニュース
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