解説
3楽章構成の神秘的な組曲風現代三重奏曲です 。Scherzandoは「戯れ」の意味で、上昇旋律主題が神秘的に奏でられ、各パートが対旋律で重なり合います。その繋ぎ目には増4度(減5度)音程を含む連続跳躍の「音のオブジェ」が戯れて、音階がループ状に飛び交います。中間の3声部の累積4度平行進行旋律は不気味な響きを生み出し、中間とコーダに「音のオブジェ」が同時に炸裂してトーン・クラスター(密集音群)を形成します。Ritmicoは律動を指し、[Low C音] の8分音符オスティナート・リズムを時計のように延々と刻み続けます。そのリズム上に現代的な旋法主題が歌い、またコミカルに躍動します。中間部ではピッコロに持ち替え色彩変化を与えます。Fugatoはパスピエ舞曲風のフガート主題が各パートで模倣され重なる中、対旋律は並行増4度(減5度)で戯れます。圧巻は後半の全てに短前打音で飾られた4度累積和音動機が3声部の累積4度平行進行で同調する音のオブジェです。K.H.ヴァーレンはボン生まれのドイツの現代作曲家、ピアニストです。「現代音楽集団(1965)」の共同創設者、晩年はドイツ作曲家協会名誉会長となり、ドイツ現代音楽の発展に貢献しました。 (解説/佐野悦郎)ニュース
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