解説
この作品は3楽章構成で書かれ、第1楽章 [D] 4/4はソナタ形式で、第1主題は半音的動機が各パートに模倣され綾をなし、半音動機は縮小され繋がります。第2主題 [A] は愛らしい分散和音とオクターヴ跳躍を持つ断片動機が同調して踊り、第1主題の半音階的楽句に繋がり、半音動機が縮小されコーダに向けて連鎖します。展開部は第2主題が優勢に躍動し、後半に第1主題が模倣されて再現部です。コーダは縮小半音階的動機がさざ波のように連鎖して戯れます。第2楽章 [A] 4/4 は三部形式風に書かれ、前半(前奏)は穏やかな4分音符分散和音動機が静かに舞い降り、装飾楽句が繋ぎ合わさり転調を重ねます。中間部 [A] が主部となり、前奏主題が「カノン」となり、厳かに対旋律と美しい綾を形成し、トリルで主題を呼び込み後半(後奏)です。第3楽章 [D] 2/4 はロンド・ソナタ形式で書かれ、ロンド主題は補助音でうねりながら上行するギャロップ音階楽句が急速に流れ支配します。第2主題(挿入楽句)[A] は可愛らしく踊る中オクターヴ跳躍動機でポーズを繰り返し、最後は分散和音の山を築き上げます。展開部は両主題断片が交互に飛び交い再現部となり、コーダは第1主題断片が競奏し終わりまで突進します。(解説/佐野悦郎)ニュース
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