解説
ジョルジュ・ユー(1858-1948)は著名な建築家の家庭に生まれましたが、グノーの薫陶を受けてパリ音楽院にてフランクに師事しました。歌曲と舞台を中心とした作品は、パリで上演され成功を収め、多くの賞を受けました。フルートのための「ファンタジー」(1913)はユーの代表作です。ヴァーグナーの熱烈な支持者でもあり、音楽祭が開催されるバイロイト市の名誉市民にもなりました。印象主義音楽の拡張された和声や静的効果を吸収する一方で、東アジアを旅行し、その印象を作品へ投影させました。日本を訪れた記録は見つけられませんでしたが、歌曲「2つの日本の詩」(1924)の第1曲目「サムライ」はフランス国立図書館に所蔵されています。「ノクチュルヌ」は1901年に出版されました。オーケストラとフルートのための曲として書かれ、ゴーベールに献呈されています。全体的には変ニ長調による音の満ち引きが印象的です。低音の分散和音による伴奏が夜の情景を彷彿させます。様々な情緒や哀愁を呼び起こさせるように、速度の変化や標語が指示されています。作曲者本人によるピアノ・リダクション版です。(解説/諸田大輔)ニュース
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