解説
ドゥメルスマン(1833-1866)は「フルートのサラサーテ」と呼ばれる程に素晴らしいヴィルトゥオーゾで《イタリア協奏曲 第6番》《ヴェニスの謝肉祭》《オベロンの大幻想曲》の作品に見られるように超技巧的な名人芸の曲を多く作曲しました。彼はJ.-L.チュルーの弟子で、突出した技巧の持ち主でしたが、頑固に旧式の8鍵式フルートを使用していたためにパリ音楽院の教授になれなかったと言い伝えられています。そのためか、あるいは彼が33歳の若さでこの世を去ったことが理由か判断できませんが、現在残されている練習曲はこの『50の旋律的練習曲 作品4』のみであるのが非常に残念です。この練習曲は旧式の♯系優先の変則的な調性配列(♯6つ、♭4つ)を特徴とした中・上級基本奏法旋律的練習曲です。E.ケーラーの作品と同様に、旋律線は曲想の変化に富み、大変重要な基本的読譜力、調性感、豊かな音楽表現力を身につけることができます。(解説/佐野悦郎)スタッフより
モイーズはJ.A.ドゥメルスマンの「大変奏曲”トレモロ” Op.3」や「”オベロン”の主題による大幻想曲」を自身でも演奏したりレッスンで取り上げています。美しい旋律に華やかで技巧的な作品はフルーティストの表現の幅を広げてくれます。この「旋律的練習曲」は中級者から取り組める作品で、技術練習とともに50曲のメロディは技術・奏法のみならず音楽性や表現力を身につけ、近代の作品にも活かされるでしょう。ニュース
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