解説
『特徴的大練習曲』はベルビギエの代表的な『18の練習曲』と比較して一般的ではありませんが、その続編として、G.ガリボルディの『大練習曲 作品139』と同様に上級基本大練習曲に位置付けられています。各曲はそれぞれに特徴ある基本的音形(音階・分散和音・連続跳躍進行)の同型反復進行によるメカニズム練習曲で、前期ロマン派の作品を演奏する技術を習得するためのものです。全11曲から構成され、耐久力の必要な大練習曲となっています。旧式システムの楽器用に作曲されたためか、調性は♯系の傾向が強いですが、変則的ながら♯6つ、♭3つまでの平行調のいずれかの調を基本として、転調をすることにより、それらを補足しています。彼の練習曲はそのほかにも幾つか残っていますが、残念ながら絶版になっています。これらの練習曲、教則本はのちのTh.ベームをはじめ、楽器改良後の後期ロマン派のフルーティストたちにも多くの影響を及ぼしたものと考えられます。『特徴的大練習曲』はこれらの幾つかの『大練習曲』からM.モイーズによって再編集され、1949年に出版されたものです。(解説/佐野悦郎)スタッフより
T.B.ベルビギエ(1782-1838)は独学でフルート、ヴァイオリン、チェロを学び、1805年にパリ音楽院に入学し和声学を学びました。フルートの作品では教則本の他、二重奏や三重奏の作品もありレッスンで使用される頻度も高いです。この練習曲は、中級の終わり〜上級者向けの練習曲で、全11曲からなる大練習曲です。5ページに及ぶ作品もあるため、分散和音、跳躍する音、音階などの技術面の他、曲の構成力でも勉強になります。冒頭にはモイーズの注釈、楽曲にはフレーズを大切にした息継ぎが書かれています。ニュース
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