解説
エミール・ベルナール(1843-1902)はフランスのオルガン奏者、作曲家です。パリ音楽院ではピアニストとして学び始めましたが、1887年から1895年までパリのノートルダム・デ・シャン教会のオルガニストを務めました。オルガンのための「幻想曲とフーガ 作品24」によって1877年にフランス作曲家協会の賞を受賞しています。「ロマンス 作品33」は1885 年 に国民音楽協会で初演されました。初演は作曲家自身の指揮によりフルートとオーケストラのためのバージョンで、献呈されたタファネルのフルート・ソロにて行われました。ゆったりとした変ロ長調の曲調は瞑想的で思慮深く、所々でブラームスの音楽を彷彿とさせます。動きをもった展開の中でも転調による変化の箇所では、空気感の移り変わりが魅力的に響きます。楽譜を校訂したフルート奏者フィリップ・ベルノルドはベルナールについて、「今日ほとんど忘れ去られている。しかし、彼の作品(特に室内楽に関して)は魅力や抒情性が欠けているわけではない」と後書きに記しています。なおエミール・ベルナールといえばフランスの後期印象派の画家を思い浮かべる方もいると思うのですが、こちらは別の人物ですのでご留意ください。(解説/諸田大輔)ニュース
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