解説
B.T.ベルビギエ(1782-1838)のこの『18の練習曲』は彼の代名詞になっている程に有名なもので、フルーティストはもちろんのこと、各調における音階、分散和音によるメカニズム練習が基本的なことから、他の楽器にも転用されている練習曲です。この『18の練習曲』は彼の『総合教則本』の【第2巻、第2節】より《練習曲》のみ抜粋されたもので、タイトルには《EXERCISE or ETUDE》とあるのが一般的で、【第1節】の音階総合練習に続く併用の中級基本技術練習曲として、曲題の通り「音楽表現の曲と基本奏法の訓練」の両側面の性格を兼ね備えた大変に重要なものです。そのことは、H.アルテスがこの『18の練習曲』に2ndパートを付け二重奏用に編曲校訂(BILLAUDOT)した事実からでも窺えます。技術程度はG.ガリボルディの『日課練習曲 作品89』の続編に相当する内容を網羅しており、変則的ではありながら、♯6つ、♭5つまでの平行調を含む調性練習が基本となっています。また、レガートを基本にした種々のアーティキュレーションと基本的音形によるメカニズムは呼吸法訓練のためにもよい結果をもたらします。(解説/佐野悦郎)ニュース
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