解説
この三重奏曲[3Fl. or 3Vn.]の初版は3曲セット「III. Trios dialogués Op. 17 [No. 4-6 = F. Es. C.]」で出版されました。作品目録から推測すると、同タイトルの三重奏曲[3Fl. or 3Vn.]作品14[(No. 1-3?) = G. D. e.]と対をなす続編(6曲セット)と考えられます。当時の器楽曲の一般的な古典ソナタ様式である2楽章構成で書かれ、原題の通り各パートが対話風に語り合います。第1楽章 4/4 Allegro comodoはソナタ形式で、第1主題[F]は愛らしい旋律が優美に流れ、第2主題[C]は快活に躍動します。展開部は新たな主題も生まれ充実する分、再現部では主題が若干省略されています。第2楽章 2/4 Rondo Allegretto はロンド形式で書かれ、ロンド主題[F]は16分音符の伴奏リズム上に愉快に戯れます。最初の挿入楽句[F]は軽妙に楽しく踊り、次の挿入楽句[d-F]は民族舞踏的で、色彩を変化させてロンド主題を導きます。デマキはバロック時代から古典派時代に移りゆく転換期に活躍し、ジュネーヴ合奏団をはじめ、生まれ故郷のアレッサンドリア管弦楽団でヴァイオリン奏者として活動し、またロンドンにおいても楽師長として活躍しました。(解説/佐野悦郎)ニュース
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