解説
この作品は大四重奏曲の様式で書かれ、第1楽章の悲しげな序奏[d]に続く第1主題 Allegro moderato 4/4[D]は、A.ライヒャの四重奏曲の冒頭主題[D-E-A]と類似した明るい旋律が特徴です。続く第2主題[A]以降は、展開部と再現部の境目がなく、特徴的な主題が次々と連なります。第2楽章 Adagio 4/4[E]は2部からなり、前半、後半同様に和声的な響きからコラール風旋律が生まれ、旋律は引き継がれて波打つ分散和音の伴奏上に美しく輝きます。第3楽章 Minuetto Allegretto 3/4[D]は伝統的な形式で書かれ、メヌエット主題はアウフタクトと半音階的旋律が特徴で、軽妙な伴奏の上に踊ります。充実したトリオは穏やかな伴奏形に半音階的上行旋律線が舞います。第4楽章 Rondo Allegretto 2/4[D]は自由なロンド・ソナタ形式風(三部形式)、その主題は童謡風で、愛らしい旋律が躍動します。中間部では、上下行する音階[B]が連鎖して、中断後(G.P.)、葬送行進曲風[b]の悲しい旋律が印象的に奏でられます。ススマンは19世紀前半に活躍したドイツ・ロマン派のフルーティスト、作曲家。ロシアで活躍し、この地で生涯を終えました。(解説/佐野悦郎)ニュース
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