解説
ユーハン・ヘルミク・ルーマン(1694-1758)はスウェーデンの作曲家です。1711年からストックホルムの宮廷楽団に入り、主にヴァイオリンとオーボエを演奏しました。15年から21年頃までロンドンにて研鑽を積み、ヘンデルと親交を深め、作曲をペープシュに師事。帰国後は宮廷楽団の副楽長、27年には楽長となります。18世紀前半における最も重要な作曲家の一人として「スウェーデン音楽の父」とも称されています。「12のソナタ」はルーマンの生涯で唯一出版された楽譜です。王妃ウルリカ・エレオノーラに献呈されました。1727年の初版にはキケロの『弁論家論(前 55)』より「私は過度に学識のある読者も全く無知な読者も望まない」という文が添えられており、ルーマンが多くの音楽愛好家に向けて作曲をした背景が読み取れます。第1〜3番は、各々が4、5の楽章で構成されています。原題の「フルート、ヴィオローネとチェンバロのため」を考慮すると、鍵盤楽器の伴奏のみではなくチェロやファゴットなどを加えると豊かな音楽体験になるように思います。ヘンデルの作風に似た快さに加えて、特に通奏低音の動きにはルーマン独自の美学が感じられます。(解説/諸田大輔)ニュース
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