解説
ベッファはパリ生まれのフランスの現代作曲家です。この曲のタイトルは詩人ボードレールの詩集《悪の華》の「旅」から、冒頭の一節を引用したものです。ジャジーな動機が終始一貫して反復運動を繰り返す「ミニマル音楽」のようです。各曲は特徴的な動機を持ち、ダブル・バーで区分されたユニット毎に、主要動機が変拍子の網の目をかいくぐって次々に変奏されます。第1曲は「不変」の指示があり、変拍子の主題楽句が幾重にも繰り返され永久運動となります。また随所に現代特殊奏法も現れます。第2 曲は2/4で拍子は一定ですが「揺れ動く」の指示があり、ラグタイム風なシンコペーションの分散和音主題がオブジェを形成し躍動し続けます。第3 曲は「強情な」の指示があり、飛躍する16 分音符の分散和音が無窮動を最後まで繰り返します。第4 曲は「スウィングして」の指示があり、前奏並びに後奏は打鍵奏法です。変拍子のモダン・ダンスで、ジャズの名曲「テイク・ファイヴ」風の軽快な主題がリズム変奏され舞い踊ります。第5 曲は「リズミカルに」の指示があるジャズ・ダンスで、変拍子の中に各種のリズム断片が飛び交い、踊り戯れます。(解説/佐野悦郎)ニュース
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