解説
《フルートグラム》は“Flute”に「文字等で書く、描く」を意味する“~gram”を付けた合成語で、「NFA 39th 記念コンヴェンション」(2011) において初演されました。生涯功績賞を受賞し笛吹仲間から賞賛されたCarol Wincenc女史のために「名前を音に変換」して書かれた現代の四重奏曲です。Mouvementは楽章を意味しますが、ここでは「運動」の意味も兼ねており、《ムーヴマンT》は「Just Carol」と題され、名前の2文字 [C-A] を音に変換し、[: C-A-F-D-H-G :] 和音主題動機がリズムを変化させて幾度もミニマル音楽風に和音動機の運動を繰り返しスウィングします。その運動上に [C-A] 音を持つ主要主題が現代的対位法により、調性を変えて、リズムが変奏され折り重なるように展開して行きます。《ムーヴマンU》は「Carol Wincenc」と題されCarolの和音主題 [: C-A-F-D-H :]とWincencの旋法主題 [: B-As-Des-/-C-E-Des-C :](旋法的5音階 [E-Des-C-B-As])の2つの主題が重なり合い繰り返され、和声的、対位法的に処理され、十二音技法の旋律を形成して大きく波打ち、また波状の動きをミニマル風に繰り返します。アドルフは多彩な創作活動をするアメリカの現代作曲家、ピアニスト、音楽ディレクター、著者で、作品は数多く作られ多岐にわたります。(解説/佐野悦郎)ニュース
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