解説
第1曲Apparatus「装置」は「演奏装置」を意味し、一種のミニマル音楽でその動機は機械的な波形オブジェ(楽句)を形成します。それらの音楽素材は半音階と全音階、各種属7和音、4(5)度の連続、累積和音等で合成されて、細波、小波、大波のように淀みなく、様々に楽句を変化させ、カノン風に重なり合います。第2曲Mirémi「ミ・レ・ミ」は階名を指し、レ音とミ音が2オクターヴ離れた低・高音域の両側で2本の持続音を鳴り響かせます。その間を波状形の半音階、属7の分散和音動機と半音階的旋律がリレーします。最後は5人ともPic.に持ち替え楽句リレーをし、コーダでは静かに消えていきます。第3曲Spiral Canon「螺旋カノン」は、バッハの「音楽の捧げもの」の第3曲の最終曲に用いられた書法と同様です。この曲は第1曲と同様に様々に波形型音形群がカノン風に模倣されますが、「螺旋カノン」の証は、その各楽句の最初の音、または最高音(稜線)を辿ると、低音Desから高音Gisまでに亘り全音階的 [Des.Es.F.G.A.H./Cis.Dis.E.Fis.Gis] に確認できます。最後のコーダでの栄光の響きは、曲冒頭の「Des=Cis-Dur」です。M.アムリンはアメリカの現代作曲家、ボストン大学教授で、多種多彩な音楽を発表し続けています。(解説:佐野悦郎)ニュース
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