解説
この曲を含む6曲は、当時のロンドンで、Monzani & Hillから第1巻 [D.F.A]、第2巻 [G.Es.C]の 2分冊で出版されました。タイトル頁には《Grand Trios Concertante》とあり、Grandが示す通り各曲共に構築力のある作品となっています。第4番は3楽章構成で書かれ、その特徴は次の通りです。第1楽章 4/4 は典型的なソナタ形式で、古典的な第1主題 [G] が快活に躍動し、第2主題 [D] の爽快なレガートの無窮動的旋律が次々とリレーされます。第2楽章は宮廷等の拝謁の際に用いる緩やかな行進曲です。ソナタ形式で、第1主題 [D] と第2主題 [A] が共に終始一貫して統一された付点音符の漸進動機で行進します。第3楽章はロンド・ソナタ形式で書かれ、第1主題は分散和音が一気に上昇する活発なロンド主題で、弧を描きながら滑空するように着地します。和声が響くオスティナート・リズム上に第2主題 [D] の分散和音動機が小刻みに踊り、徐々に展開されます。G.A.シュナイダーはドイツのダルムシュタット生まれで、後の1803年にベルリン王立楽団のホルン奏者、作曲家として活躍し、更に1820年には王立劇場の音楽監督、1825年には楽長に就任し、生涯に亘り管楽室内楽の発展に寄与しました。(解説/佐野悦郎)ニュース
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