解説
この四重奏曲は2部で構成され、第1部は教会旋法 [D-E-F-G-A-H-C] による哀愁漂う中世風なワルツ旋律が各パートに引き継がれ、民謡のように抒情的に歌われます。後半からは旋律に絡むように、半音階断片楽句と技巧的波形音階が乱舞して風の流れる道を表現します。第2部は、新古典主義的な作風のフーガ主題が、第1部の冒頭主題の [D-A-G-A-H-C-H-A] から変奏されて生まれます。そのフーガ主題は下行教会旋法 [E-D-C-H-A-G] の対旋律上に模倣され、また半音階的対旋律がバッハ風のフーガのように綾をなし、後半ではオクターヴのユニゾンで重なり合って模倣しクライマックスを迎えます。作曲家の初演プログラム・ノートには「占星術によれば、昨年2020年12月22日(冬至)より、“風の時代”になりました。約240年続いた“地の時代”に別れを告げ、新しい社会の転換期に入り、新しい時代に向けての想いから“風の道”を曲題としました。(要約)」と解説されています。合田佳代子氏は大阪音楽大学に学び、関西を拠点に主に吹奏楽ジャンルで活躍しており、2014年の全日本吹奏楽コンクール課題曲V「斎太郎節の主題による幻想」(第24回朝日作曲賞 入選)が好評で、その後も全国各地で演奏されています。(解説:佐野悦郎)ニュース
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