解説
ズッカーリ(1704-1792)はイタリアのヴァイオリニスト、作曲家です。クレモナ近郊のカザルマッジョーレで生まれ、ヴァイオリンをG.ヴィスコンティに師事しました。1723年にウィーンを経由してチェコのオロモウツへ行き、当地に4年間滞在しつつドイツ各地を訪れました。1736年からはミラノに居を構え、ヴァイオリン学校を設立。G.B.サンマルティーニの知己を得て、音楽活動をしました。1760年頃からの5年間はロンドンに滞在し、オーケストラの一員を務めています。イギリスの音楽学者Ch.バーニーは1770年にミラノでズッカーリの演奏を聴き「優れた音楽家とみなされている」と記しています。このト長調のソナタは1744年にロンドンで出版された「6つの独奏曲」の第3番です。曲集ではJ.A.ハッセの作品となっていますが、バーデン州立図書館にある手稿譜によりズッカーリの作と確認されています。短く明朗なバロック音楽であるこのソナタは、変化と抒情性に富むイタリア的な面白さがあります。特に第2楽章のフレーズの長さが魅力的です。第3楽章34小節目にある高いFisの音は、手稿譜では3度下のDとなっていますので、演奏時には参考としてください。(解説/諸田大輔)ニュース
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