解説
単一楽章、三部構成で書かれ、低音楽器の響きを探求した神秘的な四重奏曲です。曲解説が無く、推測ですが、「Soul’s」は魂、霊魂の意味、「Leave」は去る、放れる、の意味で、「霊魂の脱離」と解釈します。【第1部】Ethereal(霊妙)4/4はラヴェルの《ダフニスとクロエ》第2組曲「夜明け」の冒頭から霊感を得たと考え、ここにギリシャ神話の「美しい神聖な森の牧場」を描きたかったと推測します。その森の情景は小川のせせらぎ、木立のざわめきを描写し、時折、鳥がさえずります。曲冒頭は前述の「夜明け」に類似し、持続トリル上に12連符による波形分散和音[C-E-G-H]と波形旋法旋律[E-Fis-G-H-C-D]が大波の様に幾重にも重なり、やがて小波で静まります。【第2部】Faster(より速く)は【讃歌】と考え、古代的旋法風の神秘的な旋律は、時折平行5度進行を交え定旋律上に流れます。アルト・フルートの長い持続トリル上に、急速な上行5音階楽句が舞い上がり、次を予告します。【第3部】Majestic(荘厳に)は再びラヴェル風に、持続トリル上に「第1部」同様、連続する32分音符の波形分散和音と波形旋法旋律が、急速な大波を幾重にも重ね「第2部」の【讃歌】が引き続き現れ、曲の最後までこの大波が寄せてきます。(解説/佐野悦郎)ニュース
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