解説
G.ネグリは19世紀に北イタリアのヴェネツィア、リヴォルノ、トリステを拠点に活躍した初期ロマン派のフルーティスト、作曲家です。1826〜35年の間に二重奏曲を始めとする彼の室内楽作品が出版され、その様式等から、ミラノのG.ラッボーニ(c.1800-1858)と同世代、同時期に活躍した人物と推測します。この曲は「大三重奏曲」ともいえる4楽章構成で書かれ、第1楽章Allegro moderato(4/4)[D]はソナタ形式、上行音階で導かれた第1主題[D]は付点分散和音動機が躍動します。第2主題[A]は音階と分散和音の爽やかな旋律が舞い踊り、技巧的分散和音と2オクターヴ半音階が連なります。展開部は提示部の模倣です。第2楽章 Andantino Cantabile(3/4)は三部形式[A-a-A]、清流のようなオスティナート伴奏にセレナード風旋律が歌われ、中間部の伴奏音形は分散和音と音階が渦巻く激流と化して3度平行進行旋律が朗々と歌います。第3楽章 Allegretto(4/4)[D]は主題と変奏で、付点音符動機の民謡風主題が軽快に踊ります。続いて第1変奏では16分音符音階と分散和音、第2変奏では3連符分散和音、第3&第4変奏ではギャロップ・リズムと16分音符音階旋律の奔流が雄大に流れます。第4楽章 Polonaise(3/4)[D]では軽快なポロネーズのリズム伴奏と流麗な旋律が交錯乱舞します。(解説/佐野悦郎)ニュース
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