解説
A.ロッラはイタリアのパドヴァ生まれ、盛期古典派から初期ロマン派にかけてミラノで活躍したヴィオラ、ヴァイオリン奏者、作曲家、指揮者で、巨匠パガニーニの師匠として知られています。ミラノ・スカラ座管弦楽団を纏め、イタリア歌劇の巨匠達、G.ロッシーニ、G.ドニゼッティ、V.ベッリーニ等の歌劇を指揮しました。また、W.A.モーツァルトの名歌劇やL.v.ベートーヴェンの初期交響曲をも指揮しています。彼は500もの膨大な作品を残し、その大半が弦楽器(Vn./Va.)のための協奏曲や室内楽曲です。この協奏曲は従来の目録には記されてない貴重な初版であり、同世代のD.チマローザ(1749-1801)の同編成協奏曲を喚起する、明るく爽やかな作品です。第1楽章 Allegro moderato(4/4)[D]はギャラント様式の名残が美しいソナタ形式の協奏曲で、第1主題[D]の2本フルートのSoliは明るく3度平行進行で歌い、また交互にsoloで応答します。第2主題[A]は交互に、爽やかに音階旋律を歌い、3連符分散和音で戯れます。第2楽章 Romance(2/2)は三部形式[G-g-G]で、優美な旋律が舞い踊り、中間部は嘆くような哀歌です。第3楽章 Rondo(6/8)[D]はロンド形式、ロンド主題はSoliで軽快に奏でられ、第1挿入楽句[A]は転調を重ねて躍動し、第2挿入楽句[d]は情熱的に乱舞します。(解説/佐野悦郎)ニュース
関連サイト
注文ボタンのない商品につきましては、右上の「お問い合わせ」よりお願いします。