解説
P.ウォーロック(本名Philip Arnold Heseltine)は20世紀の前半に英国で活躍した作曲家、音楽評論家で、「魔法使い」の意味を持つこのペンネームで活動しました。彼は独学で音楽を学び、ケルト文化や英国の古い王朝時代の音楽と詩に興味を抱き、多くの影響を受けました。彼の作風はこれらの古い音楽の模倣で、その旋法等を用いた書法によって独自の「擬古典主義的音楽」を書き残しました。跳躍、宙返りの意味を持つ「カプリオール組曲」(1926)は、まさに20世紀の「ルネサンス舞曲集」で、古い英国の巨匠達、J.ダウラントやW.バード等の音楽を喚起します。彼は若くしてうつ病に悩まされ、不可解な死を遂げましたが、この古風なコンソートの響きの「舞曲集」は永遠の生を受け継ぎました。原曲はピアノ連弾のために書かれ、後にウォーロック自身により弦楽合奏、管弦楽用に編曲されました。この楽譜はW.コサックによる四重奏への編曲版です。郷愁と躍動感に富んだ、6つのルネサンス舞曲で構成されています。1.「Basse-Danse(バス・ダンス)」Allegro moderato(2/4)[d]、2.「Pavane(パヴァーヌ)」Allegro ma un poco lento(2/4)[g]、3.「Tordion(トルディオン)」Allegro con moto(6/4)[g]、4.「Bransles(ブランスル)」Presto(2/2)[g]、5.「Pieds-en-l’air(ピエ・アン・レール)」Andantino tranquillo(9/4)[G]、6.「Mattachins(マタチン=剣の舞)」Allegro con brio[F]。(解説/佐野悦郎)ニュース
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