解説
ピエルーズの作品目録[2Fl.Pf.]の項目には2つの「コンチェルティーノ」(Op.67[D], Op.104[G])が掲載されており、その2曲が再版されました。第2番は独立した3楽章構成で書かれ、構成力のある傑作です。第1楽章 Allegro moderato(4/4)[G]は「前奏」「3つの主題と展開」「後奏」の自由構造で、「展開部」はありませんが、各主題の後半が次のように変奏します。第1主題[G]は爽快な旋律を2本のフルートが3度並行進行で優美に飛翔し、第2主題[D]は華麗な上行音階旋律が徐々に技巧的変奏され2本のフルートが競奏し合います。第3主題[G]は優美な旋律を交互に奏で、後半は超絶技巧変奏が乱舞します。第2楽章 Adagio(3/4)[E]は三部形式、優美な二重奏旋律が綾をなし、更にオクターヴ上で奏でられ華麗に変奏されます。中間部では付点音符の上行音階旋律が分散和音で飾られ、フルートが交互に競奏し合います。第3楽章 Allegretto(2/4)[G]はロンド・ソナタ形式風で、付点上行音階のロンド主題を2本のフルートが揃って突進します。第2主題(挿入楽句)[G]の第1フルートは軽妙な分散和音リズムで乱舞し、それを第2フルートが3連符音階旋律で繋ぎ合わせます。第3主題(展開部)[D]は行進曲伴奏に勇壮な旋律が飛翔し、徐々に6連符と華麗な分散和音で飾られてゆきます。(解説/佐野悦郎)ニュース
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