解説
全16曲からなるピアノ小幻想曲集「おとぎ話の形(Märchengestalten)作品147」より、水の精霊にまつわるNo.13, 14, 15を選曲し、原曲に忠実に編曲した童話の世界に誘う神秘的な「絵画的小品集」で、いずれも三部形式で描かれています。I. Melusine.(Allegro, 4/4[B])メリュジーヌは絵画に見られる中世の装いの美女で、下半身は蛇、背中はドラゴンの翼を持つフランス伝承の「水の精」です。淡い和声の中に無窮動的16分音符が水の流れを表現し、旋律線はその中に隠れており、この編曲では各パートの各拍を繋げると美しい旋律線が浮かび上がります。II. Undine. Allegretto(vivace, 2/4[a])ウンディーヌは美女の姿をして絵画に描かれる「水を司る精霊」で、泉や湖に住み、男性と結婚をすると魂を得ると伝承されています。無窮動的な16分音符3連符が湖面のさざ波を表現し、その上に3度進行のシンコペーション旋律が舞い踊り、中間部はユニゾンです。III. Die Regentrude.(Molto vivace, 6/8[a])リージェントルーデはドイツの文学作家のテオドール・シュトルム(1817 - 1888)の童話で、夏の過酷な猛暑で水が枯渇し、牧草地は干ばつに見舞われ、人々が雨乞いをする物語です。急速な下行旋律が終始一貫して流れ下り、中間部(2/4)[F]は民謡風聖歌が祈りを捧げ、コーダ[A]では変奏され歌われます。(解説/佐野悦郎)スタッフより
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