解説
この曲の原曲は、モーツァルトが死の2か月前に書いたクラリネット協奏曲です。クラリネットの名手で親しい友人でもあったシュタードラーのために作曲され、出版されたのは10年後の1801年でした。この時にA.E.ミュラーによるフルート用に編曲された楽譜も同時に出版されました。当時の出版事情からすると、フルートのための楽譜の方がよく売れたのでしょう。ミュラーは、ピアニスト、オルガニスト、フルーティスト、指揮者、作曲家と多彩な活動をする人物で、この編曲にあたって思い切った改編を行っています。まず、第1楽章と第3楽章をイ長調からト長調に移調することによって、オクターヴ上げた時の最高音がGになるように配慮したと考えられます。また、クラリネットの音域の広さに対応できない箇所は短縮、削除するなど、現代だったら、そこまで思い切って出来ないと思うほどです。しかし、私たちの親しんでいる2曲のフルート協奏曲からかけ離れた、晩年のモーツァルトの境地に触れる機会として、得難い体験ができるでしょう。広い見地に立ったホグウッドによる校訂により、よく配慮された楽譜となっています。(解説/三上明子)スタッフより
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