解説
この新刊はベルリン国立音楽図書館の手稿譜を基に校訂された最新ヴァージョンです。この作品はC.P.E.バッハの最晩年、1788年に書かれた重要な3つの四重奏曲(WQ93-95)の第1曲目にあたります。急・緩・急の3楽章配列で書かれ、鍵盤楽器が通奏低音から解き放たれて独立性を表した、いわゆる新様式の四重奏曲です。各主題の随所にはロココ風の特徴が感じられますが、バス譜には通奏低音の名残があります。第1楽章はロココ風の付点音符と三連符による主題が特徴的。優美で悲しげな旋律の明暗、色彩を変化させて幾度となく移り気な転調をくり返し、やがて主題を再現します。第2楽章はソナタ形式の要素を伴う自由な三部形式で書かれ、特徴的な3つの主題が転調し、和声の響きや楽器の色彩、リズムの動きを変化させて雅やかに奏で合います。第3楽章はロンド(ソナタ)形式の枠で書かれ、軽快な主題が曲全体を支配し、生き生きとした躍動感をみなぎらせています。それに続く挿入主題に相当する楽句は軽快な音階で突進し、最後は分散和音で力強く終始します。スタッフより
特撰コーナーにて取り上げています⇒C.P.E.バッハ生誕300年「第4回 ハンブルク時代」ニュース
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