解説
J.S.バッハの息子のなかで最も作曲家として成功したのは、次男のC.P.E.バッハでしょう。彼は、フリードリヒ大王の皇太子時代から宮廷のチェンバロ奏者を務めました。後年、活躍の場をハンブルクに移したことから、「ハンブルクのバッハ」とも呼ばれています。C.P.E.バッハは数曲のフルート協奏曲を残しています。いずれも、クラヴィーア協奏曲から編曲されたり、チェロ版に編曲されたり、ひとつの曲をいろいろなかたちで演奏していたようです。「フルート協奏曲 変ロ長調」は1751年の作とされています。第1楽章Allegrettoは、のびやかな主題と付点のリズムがうまく使われて優雅な雰囲気を作り上げています。中間のフルートの独奏部が効果的に挿み込まれ、名人芸の見せ場となっています。第2楽章Adagioはト短調に転じ、C.P.E.バッハに特有の多感様式が見られ、内面的な表現が弦楽オーケストラとの対話によって劇的に表現されます。ピアノ伴奏だと効果の難しい領域です。第3楽章Allegro assaiは、非常に活動的なオーケストラ伴奏に対して、おっとりと登場するフルートが跳躍音形ではじけて、展開の面白い効果を見せます。さすが、演奏効果を知り尽くしていると感じ入ります。(解説/三上明子)スタッフより
特撰コーナーにて取り上げています⇒C.P.E.バッハ生誕300年「第3回 ベルリン時代U(協奏曲)」ニュース
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