収録内容
バッハ、J.S. | フルート・ソナタ ロ短調 BWV1030 (DVD) | ニコレ |
解説
J.S.バッハのソナタ h‐moll が長大であるように、このビデオに収められたレクチャーコンサートも、長大な時間を費やして行われています。 普段私達が耳慣れている口短調の調子でピアノと一緒に演奏するのを間にはさんで、半音低いトラヴェルソとチェンパロの演奏で始まり、最初の版であるト短調での演奏で終わるというパフォーマンスで始められたこのレクチャーコンサートは、ニコレ先生ならではの様々な問題意識を、私達に与えてくれています。 次々に挙げられる実例は、すべて実際に音で聴かせてくれていますので、とても分かりやすいレクチャーとなっています。 この長大なソナタと取り組むに当たって、“音楽って何?”、 “演奏 (または解釈) とは何?” 、“理解するとはどういうこと?”、 などと、自分に問いかける事から始まりました。 ここでは、広い範囲から色々な例を挙げて,ニコレ先生独特なおしゃべりが魅力的です。 次に、アナリーゼも解釈の一つということから、いよいよこのソナタの分析に入っていきます。 全体の設計図を描くために、テーマが何回出てくるか、骨組みを小節数で区分するとどうなるのか、地面 (バス) と、川の流れ (チェンバロの右手) と、メロディー (フルートのパート) の3つの音部の関係、リズムの動きなどについて、かなり詳しく細かい説明が始まり、「自分の内面で歌っているのはチェンバロの両手の音部で、そこにフルートのパートをすーっと乗せて…」 とか、“犬の散歩” を例に挙げて、「散歩している自分は主になる音符、犬がその周りを歩きまわるのが飾りの音符」 といった説明が続きます。 レクチャーの後のコンサートが始まる前に、言い忘れたこととして「演奏する時には、出来るだけ何もしていないという印象を。ただ、そうするためには、やれるだけの事は全てやっておかなけれはならない。楽譜がそのまま音になるようにしたいものだ。」 という言葉が、つけ加えられています。 解説●斉藤賀雄 東京音楽大学教授 元・読売日本交響楽団フルート奏者ニュース
関連サイト
注文ボタンのない商品につきましては、右上の「お問い合わせ」よりお願いします。