解説
ヨハン・アドルフ・ハッセ(1699-1783)はドイツの作曲家です。活動をした当時は最も高く評価された作曲家の1人で、ドイツ人でありながら後期ナポリ楽派のオペラ全盛期を代表していました。1719年にブラウンシュヴァイクで最初のオペラを発表し、1722年にナポリへ赴きN.ポルポラとA.スカルラッティに師事しました。イタリアでオペラ作曲家としての名声を得た後、1731年から63年まではザクセン選帝侯の宮廷楽長の地位にいました。フルートとの関わりは、1725年にナポリにおいて留学中のクヴァンツとの友情を育んだ事と、7年戦争の際にフリードリヒ大王がドレスデンに留まった1756年、1ヶ月以上にわたり毎日大王のためのコンサートを開いた事が特筆に値します。このニ短調のソナタは、1740年にパリで出版された「12のソナタ」の第11番目です。第1楽章「ウン・ポコ・ヴィヴァーチェ」は訴える力のあるレチタティーヴォです。ロココ風の優美な第2楽章「アレグロ」に続き、小洒落た第3楽章「アリオーソ」。第4楽章「ヴィヴァーチェ」は装飾的で洗練された展開です。全体に満ちたドラマチックな雰囲気は、当時のオペラの流行を思わせます。ハッセと同時期に活動したJ.S.バッハとの比較においては、音楽の流行についての深い示唆を与えてくれます。(解説/諸田大輔)ニュース
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