解説
ドイツのフルーティストで、E.ケーラーと同じサンクトペテルブルクの帝国バレエ管弦楽団の同僚であった、カール・シュワブ(Carl Schwab 1873-1938)に捧げられた作品です。原本は全3巻(30曲)からなり、彼の練習曲の中で最も難しく、最上級演奏技術と音楽表現力、持久力を要求される練習曲です。各練習曲は耐久力を必要とする2〜3ページの割りつけで、特徴ある音形(装飾句緩徐楽章、カデンツァ、大跳躍)と技術により全音域を縦横無尽、流麗華麗に演奏テクニックを披露するロマン派・超技巧総合技術練習曲(ヴィルトゥオーゾ)となっています。彼の練習曲は全般的に、調性に対する配慮が非常に慎重です。従って、この練習曲に辿り着いて、ようやく「全24の調性」を学習する教程になっています。全調性は各曲に変則的に配列され、調性感覚、技術を養うために、転調を含めて種々の方法がなされています。(解説/佐野悦郎)ニュース
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