解説
ノルウェーのベルゲンに生まれたグリーグは、幼い頃から楽才を現し、遠縁のヴァイオリニストのオーレ・ブルに勧められて、15歳でライプツィヒ音楽院に留学して3年半を過ごしました。当時のライプツィヒでは、メンデルスゾーン、ショパン、シューマンなど最先端の音楽を聴くことができました。しかし、胸を病み、失意とともに勉強を中断。1863年からコペンハーゲンでニルス・ゲーゼに励まされながら、作曲活動を再開しました。 1865年夏、コペンハーゲン北のラングステッドにて書かれた「ヴァイオリン・ソナタ 第1番」は、幸せな気分の中、短い期間で書かれました。この曲全体にわたって、ドイツのロマン派音楽の骨格にノルウェー古来の旋律と和声が吹き込まれた感があります。第1楽章 Allegro con brio:ヘ長調の快活で屈託のない主題の後に、イ短調の懐かしさを湛えた旋律が続きます。コンパクトな中に豊富な発想が見られる楽章。第2楽章 Allegretto quasi andantino:イ短調の古い民俗舞踏の主題で始まり、中間部にイ長調のにぎやかなノルウェー古来の民俗楽器ハーディングフェーレ(ハルダンゲル・ヴァイオリン)を模した部分がはさみこまれます。第3楽章 Allegro molto vivace:フィナーレにふさわしい活力ある楽章。色彩豊かなソナタがフルートによってどのように表現できるでしょうか。 (解説/三上明子)スタッフより
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