解説
フランスの作曲家、マルセル・ビッチ(1921-2011)による『近代フランス音楽基本技術練習曲』(1955)で、パリ国立音楽院フルートの教授のG.クリュネルに捧げられた作品です。この練習曲はそれぞれの課に明確に練習目的のための標題が与えられており、フランス近代の小品等を演奏するために不可欠な基本技術奏法をまとめたものです。練習内容は「基本奏法課題」として、均等な運指の練習/柔軟な唇を得るために/スタッカート/ リズム/ダブル・タンギング/トリプル・タンギング/速い運指/跳躍する音程/主題と変奏(総合練習)、さらに「音楽表現課題」として、奔放なフレージング/装飾音符/ソノリテの練習と題された12の課題により構成されています。J.-P.ランパルの序文によれば「マルセル・ビッチはフルートを詳しく研究して、豊かな教育的内容を持つ練習曲に仕上げた。この練習曲の多くは、音楽的に優れたフルート独奏曲として演奏できると思う。」とあります。その言葉通り、近代音楽の要素とその基礎奏法の両面を駆使してあり、上級の近代フランス音楽の基本技術導入教本として幅広く活用されています。(解説/佐野悦郎)ニュース
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