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KV304:収録CD検索結果画面はこちら解説
通称「マンハイム・ソナタ」KV 301〜306と呼ばれるソナタ集のうち、ホ短調 KV 304は、1778年初夏にパリで作曲されました。モーツァルトのヴァイオリン・ソナタの中で唯一、短調で書かれた、ただならぬ緊張感と暗さを感じさせる曲となっています。同じ頃に作曲されたイ短調 KV 310のピアノ・ソナタとも共通性がありますが、パリまで同行していて、その地で亡くなった母への気持ちが反映しているのでしょう。ほんの3ヶ月前に作曲された「フルートとハープのための協奏曲」ハ長調 KV 299も喜びに満ちたユニゾンで始められますが、この曲の冒頭のユニゾンは痛切な響きをもたらしています。第2主題は軽やかなト長調で提示され、展開部は第1主題をピアノのみで奏し、短いながら手の込んだ書法を使い入念な仕上がりを感じさせます。第2楽章テンポ・ディ・ミヌエットの旋律は最初ピアノのみで奏されますが、昔、私が予備知識なしにラジオから流れたこの調べを聴いた時、世の中にこんな音楽があるのだと強く感じ入ったことを覚えています。楽譜を分析できるようになってから、この曲を改めて見ても無駄と隙のない書法に再び魅せられます。ヒュンテラーによる編曲版では、原作の音域を変え過ぎないよう配慮されています。(解説/三上明子)スタッフより
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