解説
パガニーニのヴァイオリン独奏のための24のカプリスは、作品1として1820年に出版されました。それ以来、ヴァイオリンの世界の不滅の作品として多く演奏されてきましたが、フルートに編曲して出版したのは、北フランスのリール音楽院名誉教授だったジュール・エルマン (Choudens版) です。IMC社からもジョン・ウンマーが校訂を加えて、同じような内容の版が出ています。また、最近では、パトリック・ガロワにより、循環呼吸の解説(16分音符の息から始めるガロワ考案の方法)から始まり、フラッター奏法、重音、声も合わせ使う奏法を示唆した版がLeduc社から出版されました。この曲集を勉強される方は、先入観を持ち過ぎないようにして、ヴァイオリンのための元の楽譜も参照しながら、フルートを活かす演奏を目指すようにお勧めします。元々、ヴァイオリンを活かすように発想されているので、フレーズ感も長く、よく鳴るG線やD線など低音の魅力を前提にした部分など、違う発想をフルート演奏の中でクリアすることによって、演奏に巾を加えられるようになるのではないでしょうか。(解説/三上明子)ニュース
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