解説
この曲は3楽章構成の演奏会用作品で、彼の作品66と同様に最終楽章がフーガ付きで書かれています。第1楽章のAllegro Moderato 4/4は単純なソナタ形式で書かれ、第1主題[a]は持続する付点音符のリズムに乗って悲劇的行進曲を奏でます。やがて明るい第2主題[C]となり、躍動する付点音符は急速な16分音符のリズムで漸進します。展開部の規模は小さく第1主題[C]と第2主題の断片[D]が現れ、直ぐに行進曲風の第1主題[a]が再現されます。引き続き現れる第2主題ではじめてイ長調に転調し、16分音符の主題は最後までこの調性で突進します。第2楽章Andante 6/8[D]は三部形式で書かれ、田園的な牧歌主題が各パートによって、旋律線の綾で描いた刺繍のように美しく表現されています。第3楽章 Rondo. Allegro 2/4[A]はロンド形式で書かれ、ロンド主題は爽やかな風が流れる様に流麗です。挿入部主題[D]は力強い上行形分散和音で堂と進み、16分音符で急速に漸進し、再びロンド主題の部分が現れてフーガとなります。最後はロンド主題に回帰し、一巡して曲を閉じます。(解説/佐野悦郎)ニュース
関連サイト
注文ボタンのない商品につきましては、右上の「お問い合わせ」よりお願いします。