解説
近代的な和声の響きを放つ六重奏曲 (1987) です。第1楽章は三部形式で書かれ、冒頭は心地よい田園風主題が持続低音 [D] に支えられて浮遊します。中間部は主題が16分音符により自由変奏されて軽快に躍動します。後半では和声進行する下行音階トリルの中、幻想的にアルト・フルートと第1フルートが交互に冒頭主題を引き継ぎます。第2楽章も三部形式で、リズムが次々と変化する軽妙なスケルツァンド。SoloとTuttiの掛け合いが面白く、合奏の醍醐味が味わえます。中間部では厚い和声が同調したリズムにより一体化し、不思議な響きが生まれます。第3楽章は厚い和声旋律が現代音楽のように不気味な音響空間を作り上げ、中間部では16分音符の半音階的旋律と旋法主題が民族舞踊風に踊られます。第4楽章では、16ビートの流動感ある現代風ダンス主題が幾度かロンド形式風に舞い、そこに挟まれる挿入主題は各ソロ・パートが美しく舞い、リレーします。 M. H.ドランは現代アメリカのフルーティスト、ピアニスト、作曲家で、全200曲余りの多岐にわたる作品を作曲し、それらは全米各地で演奏されています。(解説/佐野悦郎)ニュース
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