解説
R.ドレスラー唯一の三重奏曲の原題は「大三重奏曲」と記され、構築力のある4楽章構成で書かれています。第1楽章は古典派ソナタ形式で書かれ、第1主題は分散和音動機の力強い楽句が特徴です。第2主題は流麗な旋律線が各パートで奏でられます。第2楽章は三部形式で書かれ、優美で古風なメヌエットであり、各楽句が複前打音で飾られています。続くTrio[G]は牧歌風旋律が爽やかに流れます。第3楽章は優美なアリアで各パートの旋律線の綾が美しく安らかに奏でられます。第4楽章は自由なロンド形式で書かれ、流麗なロンド主題と2つの挿入楽句が自由奔放に次々と入れ替わり舞います。ドレスラーはロマン派時代に活躍したオーストリア出身のフルーティスト、作曲家、楽長です。1817年にケルントナートーア劇場に務め、その後ロンドンに移り住み教師、演奏家として活躍しました。作品目録には3曲の協奏曲のほか、弦楽器との三・四重奏曲、多くの二重奏曲が確認できます。また、当時の8鍵用「新フルート教則本」を著しました。(解説/佐野悦郎)ニュース
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