解説
フランツ・ダンツィ(1763-1826)はドイツの作曲家、チェロ奏者です。父インノチェンツォ・ダンツィはマンハイム宮廷のチェロ奏者で、息子フランツも1778年にマンハイム宮廷楽団のメンバーとなりました。1783年にはミュンヘン宮廷のチェリストとなり、1798年には副楽長に就任します。1800年に妻が亡くなると、その後数年間は音楽活動を停止しました。1807年から12年までシュトゥットガルトで宮廷楽長を務め、1813年にはカールスルーエに移り宮廷楽長として活動しました。C.M.v.ヴェーバーとは親交が厚く、彼の作品を指揮し、さまざまな支援をしました。ダンツィは4曲のフルート協奏曲を残しています。この「第1番 ト長調 作品30」は1804年頃に作曲されたと推測されています。第1楽章「アレグロ」は古典的なソナタ形式です。短い主題ながらも跳躍を含む活発な動きが特徴です。第2楽章「ラルゲット」は、ト短調のメランコリックなシチリアーノで半終止となり、続く第3楽章「アレグレット・モデラート」は技巧的なパッセージが散りばめられたロンド形式です。1778年のモーツァルトのフルート協奏曲から約25年後の作品です。音楽的演出や技巧について、興味深い比較になると思います。(解説/諸田大輔)ニュース
関連サイト
注文またはお取り寄せボタンのない商品につきましては、こちらからお問い合わせください。