解説
フランスのクープラン一族は、17世紀から19世紀にかけて20人に及ぶ音楽家を輩出した家系でした。その中で大クープランとも呼ばれるフランソワ・クープランは最も重要な存在です。彼の残した4巻から成るクラヴサン曲集(1713〜1730)は、様々な題材について微妙なニュアンスを巧みに描き出した画期的な曲集です。「恋のうぐいす」はのどかな夏の情景を表現した第3巻 第14オルドル(組曲)の第1曲目。作曲者自身の注意書きに“フルートにも似合う”と書かれていることから、フルートのレパートリーとしても知られてきました。原調はニ長調ですが、ト長調に移調した版も親しまれています。楽譜に書き込まれた装飾記号、テンポに関する注意、ブレス・マークは、詩的な表現に近づく大事な指標です。繊細なテンポの変化を楽しむためには、ソロよりは伴奏付きがふさわしいと思います。また、「うぐいす」は「サヨナキドリ」や「ナイチンゲール」と表示される場合もあります。ヨーロッパを中心に、夕暮れ後や夜明け前によく透る美しい声で鳴く鳥です。(解説/三上明子)スタッフより
無伴奏フルート名曲集[改訂版](校訂:堀内貴晃)はこちらニュース
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