解説
ヴィンターはドイツの作曲家、指揮者です。1776年、マンハイムの宮廷管弦楽団にヴァイオリニストとして任用され、宮廷がミュンヘンに移ると同行し、1798年には楽長となりました。ヴィンターはモーツァルトの「魔笛」の続編「迷宮」の作曲者としても知られています。バイエルン州立図書館には、Mus.Mss.2690及び2691の資料番号で、ヴィンターによる1813年の2つのフルート協奏曲があります。この「フルート協奏曲 ニ短調」は、B.マイアーによって第2番とされた2690を基にしています。第1楽章は堂々とした行進曲風の主題を持ち、フルート独奏は忍び込むような斬新な入り方をします。ロマン主義の幕開けを感じさせる劇的な展開が魅力です。第2楽章は低い音域から始まるアリア風の「アダージョ」。第3楽章「ポラッカ」は、華麗で優美な装飾が印象的なロンド形式。B.マイアーが指摘しているように、この協奏曲はE.デュピュイのフルート協奏曲に明確な影響を与えています。(解説/諸田大輔)ニュース
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