解説
オクラホマ・フルート協会のフェア20周年を記念した委嘱作品(2013)です。「前奏・三部形式・後奏」の構造で書かれ、曲題「Quintlexia」はラテン語「Quint」の「5」、ギリシャ語「Lexia」の「読む」を意味します。「前奏」の幕開けは5音のベルトーン[E-C-H-Fis-G]で、並び替えれば4度累積和音[G-C-Fis-H-E]となり、2度鳴り渡ります。それに続き、5度音程持続低音動機上に音階旋律主題が拍子を変化させ上下行し、河川の支流のように連なり、また何重にも重なり合い、やがて奔流(Tutti)となります。中間部は2分割され、神秘的な音響空間を構築し、前半は特殊奏法のトレモロを背景にバス・フルートが朗々と音階旋律を奏で、その後数々の現代特殊奏法が駆使され、異次元の世界に誘われます。後半は4・5度累積和音の大波上に下行音階旋律が重なり合い雫のように流れ下り、やがて様々な上行音階から主要主題が再現します。「後奏」は前奏の5音ベルトーンが逆方向[G-Fis-H-C-E]で2度鳴り響き、静かに幕を閉じます。(解説/佐野悦郎)ニュース
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