解説
セレナーデは古典派様式の4楽章構成で書かれ、第1楽章 Allegro con brio(6/8)[F]はソナタ形式、第1主題[F]はのどかな牧歌的旋律をフルートとヴィオラが6度進行で奏で、第2主題[C]はピアノの伴奏上にワルツ旋律が踊られます。展開部では各楽器が対話を重ねます。第2楽章 Menuetto-Allegro vivace(3/4)[F-d-F]は複合三部形式で書かれ、最初にピアノが優雅なメヌエット主題を奏で、フルートとヴィオラが追って同旋律をユニゾンで奏でます。後半は各々に問答を繰り返し、トリオ[F-d-F]ではヴィオラが清らかな分散和音旋律を奏で、フルートが模倣します。第3楽章 Adagio(2/4)[B]はロマンの香り漂う充実したソナタ形式で書かれ、清らかなピアノの伴奏上に優美な付点音符の第1主題[B]をフルートが奏で、追ってヴィオラが寄り添います。第2主題[Des]は主題を交互に奏で、対話を重ねて大きく変化します。展開部は付点音符主題断片が激しく交錯し、荒波を形成します。第4楽章 Allegretto(3/4)[F]はロンド形式で、主題は軽妙な3拍子ポルカです。前半の挿入句[C]は短前打音で飾られた主題が愛らしく戯れます。後半の挿入楽句[B]は優美な音階旋律が舞い踊ります。J.J.レスラーは初期ロマン派に活躍したボヘミア生まれのピアニスト、作曲家、指揮者です。後にウィーン宮廷歌劇場管弦楽団等の楽長を歴任し、多くの室内楽作品を残しました。(解説/佐野悦郎)ニュース
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