解説
1853年に初演されたG.ヴェルディの歌劇『椿姫』(全3幕)は、パリの煌びやかな社交界の高級娼婦ヴィオレッタが純情な青年貴族アルフレードに恋する悲哀物語です。H.ヴィーゼは第1幕と第3幕の「前奏曲」を、調性を含め原曲に忠実な四重奏曲に編曲しました。この2曲の冒頭部は調性が異なりますが同じ悲劇的主題です。【第1幕】Adagio(4/4)[h-E]は不穏な響きの哀しい旋律の序奏部に続き、一転してヴィオレッタの純愛を表す「固定楽想」ともいえる崇高で美しい2つの旋律[E]が奏でられます。病からパリの社交界に返り咲く彼女と希望の青年アルフレードとの出会いが描かれますが、この前奏曲では結末の悲劇を予感させます。【第3幕】Andante(4/4)[c]は雪が降る寒い朝の寝室、彼女が目覚め、薄日が差し込む頃、やがて医者が診察に訪れます。第1幕の前奏曲冒頭の9小節が再現され、続いて哀しい旋律が劇的に鳴り響きます。ヴィオレッタの幾ばくもない儚く消えゆく命を暗示します。(解説/佐野悦郎)ニュース
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