解説
ベンソンは近・現代的な「フルート四重奏曲」を4曲、第1番 作品345、第2番 作品368、第3番 作品385とピアノ伴奏付きの作品405を書き残しました。この第3番は伝統的な3楽章構成で、近・現代を行き交う書法が使われています。第1楽章は自由な形式で、幻想的な音階主題、4度音程と半音階的主題、叙情的主題などが次々に現れ、最後は主題が回帰され静かに消えていきます。第2楽章はト短調の分散和音が半音階の反進行と対話し、延々と叙情的に讃歌を奏でます。第3楽章は主要主題が流動的に舞い、また、リズム連打の中、半音階的な付点音符の主題が流れ、盛り上がります。続いて平行4度進行主題が絡み合いトレモロの現代音楽の響きにのみ込まれ、最後のコーダは超現代的な12音の響きに変化し終わります。ベンソンは20世紀のデンマークを代表する作曲家、ピアニストで、祖国で活躍した大作曲家ハートマンの家系の子孫にあたります。デンマーク王立音楽アカデミーに学び、その後はオーフス王立音楽アカデミーと母校で教鞭を執り、驚異的な創作活動を続けました。(解説/佐野悦郎)ニュース
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