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新版はこちら(楽譜ID:34647)解説
ゴーベールの弟子の回顧によれば、ゴーベール自身の演奏は、決して1つの響き、音色で演奏することなく、多くの響きと音色があったということです。ゴーベールは、フルートの演奏の美学を声楽のベル・カントの系譜につなげて考えていたようです。「ファンタジー」 は、こうした音楽に対する夢を表現した曲のように思われます。quasi Fantasiaと記された冒頭の部分は、伴奏の和音に乗せて、自由にフルートの音色の変化が味わえるでしょう。カデンツァ風のパッセージをはさんで、Vif の部分に移ります。エレガントな舞をフルートで表現したこの部分は、随所に急速なパッセージを折り込み、機知に富んだ効果を生み出しています。ゴーベールは、フルーティスト、作曲家、指揮者として多忙を極めた人でしたが、その人柄は交友を楽しむ魅力的な面を持ち合わせていました。ゴーベール夫人は、彼について、子供の無邪気な心を持った人だと言ったそうです。戯れるように音で遊ぶこの曲にも、そんな面影が見られるようです。(解説/三上明子)ニュース
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